2018年の夏、ついに開催される「大地の芸術祭 越後妻有アートトリエンナーレ2018」（以下「大地の芸術祭」）を記念して、大地の芸術祭オリジナルトートバッグのMakuake限定版をつくります！

大地の芸術祭は、過疎高齢化の進む日本有数の豪雪地・越後妻有地域（新潟県十日町市、津南町）を舞台に、2000年から3年に1度開催されている世界最大級の国際芸術祭です。この土地に今も残る里山文化、食、土木や農業の技術・知恵、美しい自然といった価値を、アートを通して発信することで地域再生を目指しています。今では日本のさまざまな地域で行われている芸術祭ですが、そのパイオニアとして国内外から注目を集め、前回2015年は人口7万人弱のこの土地に、50日間で約50万人が来場しました。

今回、Makuake限定版トートバッグをつくり、たくさんの方に使っていただくことでより多くの方に芸術祭をPRし、より多くの方が越後妻有を訪れ、越後妻有の魅力を体感してほしい！と、プロジェクトを立ち上げました。子どもや若い方、家族、お年寄り、アーティスト、ボランティア。そんな世代やジャンル、地域を超えたたくさんの人が越後妻有を訪れ、この場所を知ってもらうことが、この地に生きてきたお爺ちゃんお婆ちゃんを笑顔にし、彼らの自信や活力となります。

芸術祭のオリジナルトートバッグには、大地の芸術祭のコンセプトがデザインされています。それは「人間は自然に内包される」という言葉。

豪雪の山間地である越後妻有では、大地震や土砂崩れにも度々見舞われる厳しい自然環境下で、さまざな工夫を凝らし、自然と共存しながら米作りをしてきました。人間は自然と切り離せないことを身をもって感じさせてくれるこの地域だからこそ、大地の芸術祭は「人間は自然に内包される」を基本理念とし、2000年の第一回からすべてのプログラムに貫いています。

＜内海昭子「たくさんの失われた窓のために」（2006年）photo:倉谷拓朴＞

マクアケ限定版には、このコンセプトに着物柄がデザインされます！

地場産業を応援することも大地の芸術祭の大きなミッションです。今回は、かつて織物産業で繁栄した越後妻有の歴史や技術を伝えるため、老舗の織物会社「根茂織物（ねしげおりもの）」の着物柄をデザインに取り入れ、Makuake限定版のオリジナルトートバッグをつくります。根茂織物は、着物の町・新潟県十日町市において、伝統的な技術を守りつつ、インクジェットプリントなどの最新技術を積極的に導入し、常に新たな着物生地作りに取り組んでいるバイタリティあふれる会社です。

根茂織物は、昭和13年に、現在の社長の先々代である御祖父様（初代）が糸に撚り（より）をかける『撚糸（ねんし）』の会社を興したのが始まりで、その後織機（はた織機械）を導入し布地を作るようになり、さらに染めや加工も自分達、自社で行うようになりました。現在は、高級絹織物（成人式の振袖や訪問着など）のデザイン、染色、加工をメインとして手掛けています。伝統的な技術も大切にしつつも、新しい技術にも果敢にチャレンジをしており、初代は『レースの着物を作りたい！』と、着物業界では異色の大型レース機械を導入しました。

現在レース部門が分化して「根茂レース」として、希少な大型レース機械を使い、女性の下着に使用されるような繊細なレースをはじめ、某有名ファッションブランドを代表する柄のテキスタイルを制作するという、【好奇心旺盛な】ともいえる会社です。10年ほど前に、インクジェットプリンターによる染色も始めるようになり、これまで蓄積してきたデザインや染色に使用する版、型紙などを何千枚という単位で保管しており、それらをデータ化して、最新の技術でプリントすることができるようになりました。振袖などは年々現代的なデザインが増えてきており、そのデザインを表現するのにインクジェットプリンターの良いところを最大に活用した着物づくりをしています。

素人目に見ても、職人の手で染められたものと比べても遜色ないといいますか、見分けがつかないくらいの高い技術をもっています。残念ながら、現代は着物を着る機会もとても減ってしまい、最盛期に比べるととても着物だけでは厳しい現状ではあるけれども、その技術を生かそうと、洋服のフルカラープリントなどの技術や素材提供、アーティストからの依頼が入ってくるようになり、積極的に新しいことにチャレンジしています。

今回使わせていただく柄は2種類。昭和30年頃の実際着物の染色に使用していた型紙から図柄を選びました。若い人でも手軽に手に取りやすいものに着物の柄や技術を生かしたい。という私たちの希望に快く承諾いただき、貴重な型紙データを提供してくださいました。とても膨大な量のデータがあり、その型紙の柄を好きなようデザインに生かしても良いとおっしゃられましたが、ほとんど手を加えることはせず、元の図柄を生かしたデザインに仕上がりました。ピンクのポピー柄と水色のチューリップの着物柄に、コンセプトの文字をレイアウトし、古い和柄を使いながらも世代を選ばないにデザインに仕上がっています。サイズは幅39cm×高さ38cm×奥行（マチ）12cm。しっかりとした厚めのキャンバス生地にマチ付きなので、たくさん物を入れる方でも安心して使うことができます。持ち手部分もこだわって選んでおり、荷物をとるのに使いやすく、肩にかけると丁度よい長さです。

＜サイズ幅39cm×高さ38cm×奥行12cm／素材綿100％／厚さ10オンス／ハンドル幅2.5㎝×総長65㎝＞

その他にも、米どころ新潟ならではの商品もセットでご用意しました。
マクアケでも大きな反響をいただいた地酒で、パッケージをリデザインした「天神囃子 芸術祭エディション」は、生産数が少なく、県外にはなかなか出回らないお酒です。クラシックなデザインボトルで年始のプレゼントにも大変喜ばれています。特別純米酒、純米吟醸、純米大吟醸・原酒の3種をご用意しています。

デザインを手がけたのは、新潟を拠点に活躍するデザイナー・白井剛暁（しらいたけあき）氏。純米大吟醸・原酒は「ブナ林」、純米吟醸は「棚田の畔」、特別純米酒は「ハサ掛けの稲」という、いずれも大地の芸術祭の舞台・越後妻有で撮影したイメージで、ストレートにお酒の素性を伝えます。ロゴは「扇子」モチーフに『天』の文字を表し、稲作豊穣を願い唄い踊る人の様を表現してくれました。

新米もご用意しています！
山間地の越後妻有には、階段状の田んぼである棚田がたくさんありますが、管理が大変なため担い手が不足し、休耕田が急増しています。大地の芸術祭は2003年から「まつだい棚田バンク」を立ち上げ、里親を募り、棚田保全をしながらお米を作っています。今では里親数・耕作面積ともに日本一となり、お米の味も１等米をとるほどの実力です。雪融け水とミネラル豊富な土でつくられた棚田米は、朝夜の激しい寒暖差で身がしまり、ふっくらとした甘みのある味わいです。お客様からも「感動した」というお声をたくさんいただく自信作です！

また2018年夏の大地の芸術祭で使える「作品鑑賞パスポート（引換券）」もお選びいただけます。200点以上あるアート作品をすべて鑑賞できるお得なパスポートです。パスポート本券や引換券に使われているメインビジュアルのデザインはグラフィックデザイナーの佐藤卓さん。旅のパスポートをイメージし、越後妻有という広大な土地をアートを目印に旅する大地の芸術祭ならではのデザインです。

＜左：2018パスポート本券イメージ／右2枚：パスポート前売引換券＞

大地の芸術祭は、アーティスト、地元、ボランティア、お客様、行政、スタッフ、そのどれが欠けても成り立ちません。たくさんの方の応援があって初めて開催できます。2018年の芸術祭は、これまで以上に地域・世代・ジャンルを超えたたくさんの方に参加してもらい、みんなでつくる芸術祭にしたいと思っています。実際に越後妻有に来ることができない方も、Makuakeでのトートバッグ制作やお米・お酒を味わっていただくことで、一緒に芸術祭を応援してもらい、一緒に芸術祭をつくっていただければとても嬉しいです。

＜草間彌生「花咲ける妻有」photo by Ayumi Yanagi>

みなさまから頂戴したお金は、大地の芸術祭の運営や作品維持に充てさせていただきます。アート作品の維持にはとてもお金がかかります。毎日のメンテナンスはもちろん、豪雪地・越後妻有では約半年の間3ｍ以上の重い雪に埋もれるためため、冬季はスタッフ全員で作品を雪から掘り出す雪掘りや、木の板で覆う雪囲いを行っています。そういった維持費を含めた芸術祭運営費となります。

2018年の夏、大地の芸術祭は第7回目を迎えます。
新潟はこれからまた厳しい冬がやってきますが、雪が解け、桜が咲き始めたら作品制作が本格化し、一気に芸術祭の準備が大詰めを迎えます。

会期はたった51日間ですが、その51日間をずっと待ち望み、1人でも多くの方に楽しんでもらいたいと今から準備をしている地域の方々がいます。彼らと一緒に芸術祭を盛り上げていきたいと思いますので、ご協力のほどどうぞよろしくお願いいたします！

【開催概要】
●名称：大地の芸術祭 越後妻有アートトリエンナーレ2018
●会期：2018年7月29日（日）～9月17日（月祝）51日間
●会場：越後妻有地域（新潟県十日町市、津南町）760㎢
●主催：大地の芸術祭実行委員会
●共催：NPO法人越後妻有里山協働機構
●チケット：作品鑑賞パスポート　一般前売3,000円／当日3,500円
●作品数：約250点（※2017年11月時点）
●アクセス：東京から電車で約2時間半／車で約3時間
≫詳細は公式HPへ

＜イリヤ＆エミリア・カバコフ「棚田」（2000年）photo:中村脩＞