能登の人と自然と時が醸した30年熟成焼酎をみなさまへお届けしたい

本プロジェクトでは「奥能登麦焼酎30年熟成」樽貯蔵酒・琺瑯タンク貯蔵酒の2種類をＭakuake限定仕様で発売いたします。

創業者　藤野公平がふるさとの地で紆余曲折を経て編み出した独自の製法とこだわりの長期熟成焼酎はほかにはない熟成の極みを醸し出しています。まだ味わったことのない麦焼酎の味わいを皆様にお届けいたします。

雪国の焼酎造りには、教科書はありません。季節があざやかに変化し、自然がどこよりも美しい半島「能登」。その気候風土に培った能登杜氏仕込みの製法、受け継がれた技術を活かし、私たちは雪国能登ならではのうまさにこだわって造り続けています。

能登半島の最北端、日本海のさざなみが打ち寄せる奥能登 珠洲（すず）に清酒どころ石川県では珍しい、県内唯一の焼酎蔵・日本醗酵化成があります。

私の祖父である創業者の藤野公平はこの地で生まれ育ち、大阪帝大や広島大学で醸造学を専攻。後に満州に渡り、大陸科学院でビタミンの発見や合成清酒の発明をした鈴木梅太郎氏のもとでビタミンを追究した根っからの研究者でありました。

祖父は、太平洋戦争の終結とともにふるさと能登に帰郷。昭和22（１９４７）年、アルコール醸造やビタミン、水産、肥料などを業とする日本醗酵化成株式会社を立ち上げました。会社名が○○酒造などではないのはこういった背景が所以です。

醸造学や発酵学を学んだ祖父にとっても、雪国の焼酎造りは未知の領域でした。仕込みを行う能登杜氏自身、日本酒造りのプロではあっても焼酎を仕込んだことがなく、試行錯誤の日々が始まりました。そして進取の気性あふれる研究者であると同時に頑固一徹で妥協を知らない祖父は、失敗を繰り返しながら検証を重ね、ついに独自の手法を生み出しました。

その一つが、もろみを一定期間熟成してから蒸留をするという、ほかではありえない製法です。発酵が終わったもろみは腐敗しやすいため通常はすぐに蒸留するのが常識ですが、祖父は寒冷地能登の風土に適した製法としてもろみの熟成に時間をかけました。それにより、仕上がった焼酎の味わいは独自のコクと深い味わいに仕上がります。

また、蒸留した原酒を長期熟成することにもこだわり「最低でも10年、熟成するまで出荷するな」が口癖でした。醸造・発酵学の専門家として祖父は、蒸留酒である焼酎は、ウイスキー同様、長く寝かせば寝かせるほどおいしくなるということを何がなんでも実現したかったのだと思います。

祖父はまた、人一倍正義感が強い男で「俺がやらねば誰がやる」と郷土の振興を願い、県議を４期務め、さらに参議院選挙にも出馬しました。しかし、落選によって莫大な借金を背負ってしまい、すべての財産が差し押さえられ原酒の入った数百本ものタンクも外へ出ることが許されなくなり、やむを得ず長い眠りにつくこととなってしまいました。

けれども、それが後に思いもよらぬ贈り物になろうとは……。

平成２（１９９０）年に祖父がこの世を去り、息子で現2代目社長（私の父）が先代が残したかけがえのない焼酎がそこに残っていることに気づきました。「そろそろ世の人たちに味わってもらおうか」

平成３（１９９１）年、会社を復活させ、焼酎の販売を再開することとなりました。

その後も先代の思いを受け継ぎ熟成を続け、今永い眠りから目覚めたこの焼酎は気づけば30年もの歳月を経て、やわらかな香味とまろやかな余韻をもつ焼酎に変貌し、そこには焼酎を越えた世界が広がっていました。

こうして、祖父の代に造られたたくさんの焼酎を商品化しそのほとんどを石川県内で販売してきました。その間、本格焼酎ブームの到来により焼酎人口が増え、清酒どころ石川県においても焼酎の需要が高まり、弊社の焼酎を飲んでいただける機会も以前よりは増えました。しかし、まだまだ県外への出荷が少ない現状です。先代の思いを受け継ぎ、より多くのみなさまに能登の焼酎を味わってもらい、喜んでいただけるよう造り続けていくことがこれから引き継ぐ私たちの役割だと感じています。

原料は厳選された国産大麦のみを使用しています。毎年、春と秋の年2回仕込みを続けています。造ってすぐに販売できる清酒と違って焼酎は熟成期間が必要です。　　ましてうちのように10年以上の熟成焼酎を造ることにこだわると、時間と手間だけでなく維持費もかなりかかります。それでも、やはり長期熟成にこだわりたいのは熟成しか醸し出せない味わいがあることを先代が実証してくれたからです。そして他ではありえないと思われる製法ですが、能登の焼酎造りだからこそできるこの味わいを皆様に知っていただき飲んでいただきたいという想いがあるからです。

今回、うちの蔵の中では最も長い30年熟成の貴重な古酒2種類を今回Makuakeリターン用として商品化しました。

この焼酎の味わいが弊社の歴史そのものであり、その味わいを皆様に弊社を知っていただくきっかけにしていただきたいと思っております。

貴重な30年熟成の焼酎をじっくりと味わっていただきたいので、容量は720ｍｌ瓶に詰め、ラベルや包装は極力シンプルにいたしました。

「奥能登麦焼酎」金文字ラベル「樽貯蔵酒30年熟成酒」(写真右 酒色:琥珀色））

「奥能登麦焼酎」銀文字ラベル「琺瑯タンク貯蔵酒30年熟成酒」(写真左 酒色：透明）

同じ30年ものでも、熟成方法が違うためお酒の色や香り、味わいが全く違います。　2本セットで飲み比べて味わうのもまたおすすめです。

琺瑯（ホウロウ）タンクで貯蔵した30年熟成古酒です。アルコール度数は４１度。　口に含んだ時にこれ41度なの！？と思ってしまうほど口あたりがやさしく、琺瑯タンク貯蔵ならではの麦焼酎らしいすっきりとした味わいの中に麦の本来の素朴な風味と熟成の深みが贅沢に感じられる至極の一品です。

ウィスキーなどの洋酒を熟成する際に漬け込む木の樽で熟成させた樽貯蔵酒の30年熟成古酒です。アルコール度数は３９度。焼酎はお酒の色の規定があるため、樽にずっと入れておくと酒の色が濃くなってしまい、加水などで色を薄くしないと商品として販売できません。香りと風味をできるだけ残すため樽貯蔵酒のものは最初の数年だけ樽に貯蔵し、そのあとタンクに移し熟成を重ね、香りと風味をできるだけ薄めずにそのまま商品化できるようにしています。

なので30年熟成した樽貯蔵酒であってもウィスキーやブランデーなどの洋酒のような濃いお酒の色ではありません。しかしながら、飲んでいただくと思わず甘い！と言ってしまうほど樽熟成が醸す香りと麦の甘み、まろやかなコクが味わえます。

■おすすめのお楽しみ方

濃度の高いアルコールが放つ芳醇な香りを楽しみながら、まずは30年の味わいをストレートでひとくち。

また氷をうかべて、溶かしながらじっくりと味の変化を楽しむのもおすすめです。

30年という熟成酒ならではのゆたかな味わいをお好みでお楽しみください。

■蔵元からのメッセージ　－ 2代目当主・藤野裕之 ー

■人を喜ばせる、ささやかな奇蹟を。

当蔵の創業は戦後まもない時代、先々代が郷里のここ奥能登の珠洲で焼酎造りに取り組んだのがはじまりでした。
以来、北陸は石川県内でも唯一の本格焼酎専門メーカーとして、紆余曲折ありながらも今日までその伝統を引き継いできました。
能登は、海川山の自然が凝縮されたうつくしい半島。
それをいかした古い伝統文化があり、季節ごとの祭りがあり、
手づくりの素朴な酒も料理もおいしいところです。
もともと焼酎といえば、多くは気候の温暖な地域で造られてきたもので、雪国の焼酎というと大変珍しく思われるかもしれませんが、この土地の気候風土の中でじっくりと熟成させた焼酎は、またひと味ちがった独特のまろやかな風味があります。
とくに原料は麦一本にこだわっています。
親しみやすく飽きのこない味で、なおかつ無添加で体にもいい、高品質の焼酎を造り続けたいと思っております。
ぜひ一度お試しになってみてください。能登の心づくしの本格焼酎、皆様に飲んでいただければ幸いです。

■実行者紹介　－ 藤野裕子 ー

弊社は雪国石川県においてはちょっと珍しい県内唯一の焼酎蔵であります。
現状では弊社の焼酎は石川県での販売がほとんどですが、祖父が残してくれた貴重な30年熟成焼酎を是非、全国の焼酎を愛する皆様に味わっていただきたいという想いから今回のプロジェクトを立ち上げることに致しました。

何度かの焼酎ブームを経て、全国的に本格焼酎のご愛飲者も増えてきましたが、30年という長期熟成焼酎を口にしたことがある方はまだまだ少ないと思います。このプロジェクトをきっかけに弊社の焼酎造りを知っていただき、味わっていただける機会になれば幸いです。