神田の首領（ドン）と呼ばれた辣椒漢は、担々麺のヒットメイカーだ。

数々の名作をこの世にだしてきた。

スパイス辛み麺の四天王

「正宗担々麺」:首領（ドン）と呼ばれるに至った辣椒漢のシグネチャーデッシュ。

「汁あり担々麺」:辣椒漢の原点。修行で基本を学び、更に手間暇をかけた名作。

「酸辣湯麺」:自慢のラー油に鎮江香醋を織り込んだ逸品。

「台湾シャン麺」:台湾牛肉麺とカシミールカレーをヒントに上品にまとめた自信作。

雑誌dancyuで「研ぎ澄ました先駆者」と名付けられた「辣椒漢」の名作には、多くのファンがついている。

辣椒漢のオーナーである岡田健一は、さらなる高みを目指した。

今回、完成させたのは、「麻辣担々麺 マーラータンタンメン」。

始まりは・・・

修行する前、初めて食べたのは「担々麺ダブル大辛」。

マスター(師匠)が常連でもない私に勧めてくれた。

食べてみると「これが本当に担々麺？」という感じで、まさに異色だった。

当時、「青唐辛子のプリッキーヌ」を担々麺に使用するなんていう店はなかった。
今でも目にしない。

実はありきたりの担々麺にはうんざりしていた。
だがここは違う。しっかりした個性があった。

「ゴマ」も自家焙煎。一瞬で惚れてしまった。完全に落ちてしまった。
そして1週間後、入店した。

修行時代は毎日のように「まかない」で食べていたが、ごく限られた常連さんにだけ「裏メニュー」として提供していた。汗をかきながら、食べては頭がボーッとしていた。快感だった。疲れも吹っ飛んだ。

とっておき、言わば「秘蔵の麺」だった。

当店開業半年の4月、まだまだ駆け出しの頃、修行で学んだ「担々麺ダブル大辛」を「激辛担々麺」として販売開始した。当初は、修行先もそうだが「花椒」は使っていなかった。

「辣椒漢らしく何かもう一捻り欲しいなぁ？」

悩んでいる中、ふと、汁なしの正宗担々麺に使う「花椒粉」を「激辛担々麺」にふりかけた。

偶然だが絶妙の風味ができた。

一歩間違えば、辛いだけ。諸刃の剣のように、危険でエッジの効いたラーメンが完成した。

美味しさだけでなく、エンドルフィンも更に楽しめた。

「激辛担々麺」とは別に、「麻辣担々麺 マーラータンタンメン」と命名した。

βエンドルフィンとは、辛いものを食べた際のヒリヒリした痛みを抑えるために分泌される脳内物質。興奮と快楽を伴うとされ、「ハマる」。

店で一番、ハマっていたのは、バイトの女性中国人スタッフ。

彼女たちの出身地は、北は黒竜江省・内モンゴル。南は福建・香港までと広く、中国で売りたいとレシピをせがむ者もいた。

しかし、岡田は「レシピを渡しても再現できない。手間もかかるし、材料を安定して仕入れられない。」と外に出すことを封印していた。

上辺だけ理解してもダメ。作り込んでいかないと安定した旨さは、できないからだ。

今回Makuakeを通じて、多くのファンたちから絶賛を頂き、3600食もの辣椒漢の麺を購入して頂いた。その恩返しの為に一度は封印した「異色の麻辣担々麺」を完成させて送り出そうと決意した。

麻辣担々麺の完成には大きく3つの壁があった。

冷凍麺がもつ不思議な特徴

実店舗では「太麺」を使用している。

しかし、太麺を冷凍するとミスマッチが起きた。

何か違う？

その時、感覚的だが、今までの経験である事に気づいた。

「生麺」を冷凍すると太麺も細麺も若干太く感じる。

だったら冷凍した細麺ならいけるんじゃないか？

「やっぱりな！」

正に的中だった。

麻辣担々麺との相性が抜群だった。そして細麺に決めた！

辛さの元は、タイ産の「冷凍 青プリッキーヌ」。

食欲のそそる香りと風味を兼ね備えている。

「赤」ではダメだ。「青」の香りがないと完成しない。

苦手な人もいるかもしれないが、麻辣担々麺にはこの香りが大事。

そのまま食べれば非常に辛い唐辛子だが、これが合う。

1食に7・8本も入れている。グラムにして20gだ。

プリッキーヌ(prik-kee-noo)とは、タイで作られている唐辛子。
トムヤムクンに用いられていることで知られています。

長さが2～3cmととても小さな実で、プリッキーヌの意味は、タイ語で（ネズミの糞のような）。その小ささや見た目の愛らしさとは裏腹に、非常に辛い唐辛子。

しかし、青プリッキーヌは、量の確保が難しい。
香辛料を扱う上野や新大久保の店に行っても、青プリッキーヌの在庫は少ない。
運よく仕入れてもタイ産の青プリッキーヌには個体差があった。
毎回仕入れるたびに、辛さ・風味・香りのチェックが必要だ。

※店主からのお願い
恐れ入りますが、プリッキーヌは直前に切らないと風味が損なわれる為プリッキーヌはお客様ご自身でみじん切りにして下さい。
その際、ゴム手袋を使用する事をお勧め致します。
触りすぎると、指先などカーッと熱く、痛くなります。
目や粘膜の弱いところなどは触わらないように気を付けて下さい。
また、小さいお子様に触れさせないようにお願い致します。
プリッキーヌは解凍後、水洗いして下さい。

花椒は、中国語で「ホアジャオ」と呼ばれ、四川料理、中でも麻婆豆腐に使われている柑橘系のさわやかな香りとピリリと痺れるような辛みが特徴。

岡田が注目したのは、華北の花椒。

シビれや風味・香りが四川にのものに比べソフトなため、青プリッキーヌとの親和性が高く、辛みもシビレも同時に味わうことができる。

しかし、問題は品質。粗悪なものも多く、目利きでなければ悪い物を高額でつかまされる。現在の華北花椒を仕入れるのにも、9年もかかった。

そして殻を除去するミルでの精製は、店舗で行っている。

既製の花椒粉だと香りがすでに飛んでいて使えない。

「開発秘話」

当時、念のため四川の漢源花椒も試してみた。

だがなぜか四川省産の花椒だとプリッキーヌとの相性が悪く、それぞれの良さが消えた。

辛さと痺れがケンカして、旨味が消され、ミントのような爽やかな味わいになってしまったのだ。

※精製した華北花椒粉と青プリッキーヌのみじん切り

忘れてならないのは、担々麺の決めてとなる「芝麻醤(ゴマだれ)」の量だ。
これが多すぎると甘くなり、少なすぎると辛いだけの担々麺になる。

辛さは個人差もあるので、このゴマだれを少なくすれば辛さは引き立つ。
逆に辛さを抑えたいのであればプリッキーヌの量を調整すればいい。

1g単位での調整が必要とされた。

そして・・・一般的にラー油を作る際に、辛みを抽出した唐辛子は、捨てられる。
しかし、これを無駄にしないのが辣椒漢の特徴。
悪く言えばザラザラになり品がない。でもこのザラザラ感はインパクトを引き出す。

さらに、仕上げは、かつて腕を磨いた有名小籠包店の特製黒酢をちょこっと。

相変わらず辣椒漢のいいまとめ役だ。

直接販売とは関係ないですが、「ご飯に合う」と言う響きはご飯好きな日本人にとっては、すごく心に響く言葉だ。

実店舗では山形県産つや姫を使用していて、実は麻辣担々麺との相性が一番。だからご飯が進む。

締めはやっぱりコイツだ。

ご飯を一口分れんげにのせスープに軽く浸してから口に入れる。

この時、口の中でパラパラとほぐれる感触がたまらない。
猫まんまにしてはダメだ。
だからもちもちした米より輪郭がはっきりしたつや姫が合う。
つや姫でなければ固めに炊く事をおすすめする。

つや姫は麻辣担々麺を食べるために導入した。
私自身まかないでこれを食べるのが至福の時間。
いつ食べても飽きない。おかわりもしてしまう。

完成した麻辣担々麺は、岡田が最も愛する麺。

ぜひ、ご家庭でも食べて頂きたい。

■リターンについて

※花椒がない激辛担々麺も指定できます。

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■麻辣担々麺食材内容
細麺・ナッツ・タレ・ひき肉・花椒・プリッキーヌ・ゴマだれ
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＊4食まではエアクッションにて発送
＊6食は段ボールにて発送

【オーナー 岡田健一（プロフィール）】

1971年 群馬生まれ
1991年 麗澤大学中国語学科入学
中華の世界にのめり込んで行く
1993年 在学中台湾淡江大学に短期留学…飯が美味いと聞いて台湾へ
本場の中華料理に目覚める
1995年 大手服飾関連企業に入社
1996年 香港支社駐在
富裕層との接待三昧の中、舌と胃袋の研鑽を積む。
2000年 テイボンフードシステムに入社
中華レストラン開業目指し外食デビュー。
2002年 本社勤務で大手商社とシステム会社とで一括物流システムを構築するが

「俺がやりたかったのは・・・」
そんな時、偶然池尻の担々麺居酒屋で、「担々麺」と運命の出会いをする。
今までの担々麺とは逸し、全くの別物だった。

2003年 「担々麺 天手毱」にて修行開始
師匠は現中野の「担々麺 ほおずき」オーナー吉沢氏。
自家焙煎胡麻を使用した汁あり担々麺の基礎を勉強
2005年 六本木ヒルズ小籠包専門店「南翔饅頭店」へ入店。
ここで学んだ黒酢は現在も辣椒漢で生かされている。
2007年 神田錦町に5.86坪わずか8席の「担々麺 辣椒漢」を開業。

日式担々麺と正宗担々麺の2種のみでスタート。
日式担々麺は自家製焙煎胡麻を使い、辛さを抑えた優しい日本式の汁ありの担々麺。
正宗担々麺は厳選したスパイスを使用しタレをバランスよく仕上げた汁なし担々麺。
正宗担々麺は、初めはベースとなるものが何もなく、有名中華料理店を食べ歩き、試行錯誤の中、友人宅で中国のレシピ本に巡り会う。その記述と修行時代の(醤)ジャンを元に自宅で試作。たった1回の試作で、名作「正宗担々麺」(汁なし担々麺)が完成した。

2009年 フジテレビV6の東京vシュランⅡで第一位獲得
2010年 四川省成都 正宗担々麺視察旅行。
本場に全く負けてない事を確信
2012年 Amazonにて通販開始
アメリカ人有名ブロガー来店。以後、外国人客が増える。
2015年 辣椒漢 駒込店開業
2015年 TBS王様のブランチで第一位
2016年 楽天にて通販開始
2018年 念願のdancyuに掲載
汁なし担々麺界で、「汁なしの先駆者」と紹介された。
二刀流担々麺専門店における汁なし担々麺業界ではすでに「重鎮」と伝えられる。

2019年 日経新聞でも紹介
「台湾シャン麺」が完成。汁なし担々麺に次ぐ人気商品となる。

2020年 初の緊急事態発令後、通販が大きく売れ出す。
2021年 通販向け台湾シャン麺・酸辣湯麺が完成。完成度の高さに、常連が唸った。
そしてついに汁あり担々麺を完成。ファンから絶賛された。

2022年 異色の「麻辣担々麺」が完成
よく見たら食べログ「3.69」になっていた。3.7までもう一歩！

＊その他、マツコの知らない世界での放送協力やメディア掲載多数

■店舗情報

・神田本店

HP：https://tantanmen.shop/
電話番号：070-2181-0168
住所：東京都千代田区神田錦町１丁目４−８ BlocadeBld. 1F

・駒込店

HP：https://tantanmen.shop/
電話番号：03-3945-5050
住所：東京都豊島区駒込1-29-8